当店整備士・加藤晴久の自作トライアルマシン

当店整備士歴55年のレジェンドメカニック加藤晴久が自作のトライアルマシンを完成させました!!

45年前に思いついたアイディアを、令和に具現化!

45年前にふと、マフラーをフレームしちゃえばいいんじゃね、と思いつき、どうしようか考えつつ、仕事に追われたり、他のアイディアを思いついたりして、「ほとんど45年前のアイディアは記憶の彼方にいっちゃってたんだよねー」と加藤さん(レジェンドだし、いつもそう呼んでいるので敬称をつけさせていただきます)。

その45年の間にトライアルマシンを10台ほど自作し、それらのマシンは友達にあげたり、店の隅で眠っていたり、いつの間にかどこかにいってしまっていたり、形をとどめているのは2台だけ。
楽しみながら試行錯誤を繰り返していました。「好きなんだねー、なんでか作ったりするのが」。

「それが2年ほど前、45年前のアイディアを思い出しちゃったんだよね。きっと頭の隅に残って引っ掛かっていたんだろうな」と。
そこからエンジン選びなどを始めて、制作に取り掛かりました。
加藤さんのやり方は設計図は作らず(できないとも言うらしい)、スケッチから部品をひとつずつ作っていきます(すげー)。
メインフレーム(?)になるマフラーはフラットな鉄板を曲げて溶接して繋いでいきました。鉄板を曲げる工具を買ったらしいですが、鉄板が厚すぎて使い物にならなかったそうです(そんなことの繰り返しなんだろうなー)。

自分の空き時間や、休みの日に店に来て、溶接したり曲げたり、コツコツと作っていました。加藤さんはいつでもこうして、いったい何やってるの? と、他のスタッフが想像もつかないような事をやっているんですよーー。

そして先日、超軽量の原付スクーター(スズキのアドレスV50)と同じ重量、なんと74kgの175ccトライアルマシンが出来上がったんです!!!!

加藤さんの自作トライアルマシン、一番最初に作ったモノが一番お金がかかっていないそうですが、今回のはその次にお金がかかっていないそうで、塗装も含めて全部で32万円ぐらいでできたそうです。これの前に作ったマシンは、最高額で90万円ほどかかったそうです(店の隅で眠っている・・・)。

今回最後にタンクとフロントフェンダーを塗装屋さんに頼んだそうで、そしたらめっちゃきれいな出上がりで、自分で塗ったリアフェンダーがきたなくて、全部頼めば良かった、と後悔しているそうです(こういうこともアルアルなんでしょうね)。

8/7(日)にレースがあるそうで、みんなから、出来上がった自作マシンで出ろ、と言われているそうですが、今のところ迷っているそうです。出てみたい気もするけど、セッティングも何もしていないのに使えないよな、の気持ちと、セッティングしてもそう変わらないだろうけど、の気持ちと、自分が納得した状態で走りたいじゃん、の気持ちと、複雑にせめぎ合っているようです。

店のスタッフとしては、とにかく走っているところを見てみたい!!! その気持ちでいっぱいですけどねー。

加藤さんとしては、これで自作は最後にして、このマシンを大事に長く乗っていきたい、と、今は思っているそうです。が、もうすでに良さそうなベースエンジンに目がいってしまっているとかいないとか。

また、このマシンは先に逝ってしまった前社長の伊藤達也と前専務の伊藤賢司に見て欲しかったーー、「二人に捧ぐマシンだね」と加藤さんは言ってました(泣けちゃいます)。

ますます目が離せない、イトーKTのレジェンドメカニック加藤晴久さんなのです。

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